40年にわたるキャリアを通し、オスカー・ハマースタイン2世は演劇を「人と人とがお互いに理解を深める場」にしようと模索し続けた。彼の作品は、常に人種差別や文化への偏見といった問題をテーマとし、ミュージカルのジャンルそのものにも大きな変化をもたらした。演劇を通して彼が提起し続けたことは、1927年の名作「ショー・ボート」の“Ol’ Man River”や、彼自身がピューリツァー賞を受賞した作品でもある「南太平洋」の“You’ve Got To Be Carefully Taught”などからもよく分かる。その他にも、「王様と私」や、「フラワー・ドラム・ソング」「サウンド・オブ・ミュージック」なども同様であろう。
本作「All Kinds of People」は、特に学校などにおいて偏見への危険性、寛容の重要性、そして自尊心を育成することの大切を伝えるために作られた上演時間50分ミュージカル・レビューである。
ハマースタイン2世は、互いの違いを恐れずに認め合うことの重要性を心から信じていた。彼の作品「パイプ・ドリーム」の中の台詞でも次のように語られている。『いろいろな人が集まって、この世界ができている』のだと。