ジェイ・マキナニーによる同名のベストセラー小説が原作。麻薬がはびこる1980年代のニューヨーク・マンハッタンを舞台に、心の痛みや喪失感から現実逃避するかのようにナイトクラブのパーティーを渡り歩く小説家志望のジェイミーの姿を描く。ロックテイストの楽曲サウンドは、街の怪しげなパーティーシーンをあちこち彷徨う主人公の内なる葛藤を映し出すかのように重みがあり奥深い。
妻や仕事を立て続けに失った後、ジェイミーは完全に自我のコントロールがつかなくなるという悪循環に陥ってしまう───しかし幸運なことに、そんな状況からでも抜けだすことができるほど、家族の絆や愛というものは強靭なものなのだ。『ブライトライツ・ビッグシティ』は、たとえどんなことがあったとしても “希望や未来は必ず存在する” ということを私たちに教えてくれる作品である。