『コーラスライン』の作詞家としてトニー賞を受賞したエド(エドワード・クレバン)。彼は作詞・ “作曲” 家として認めてもらおうと、『コーラスライン』で成功した後もブロードウェイで必死にもがき続けてきた。ところが、1987年にエドはガンのために48歳という若さでこの世を去り、彼の夢は実現しないまま終わる。エドの没後、彼が遺した素晴らしい楽曲の数々で紡がれたエドの自伝ミュージカル『クラス・アクト』が舞台化したことで、ようやく彼は作曲家としても生前に受けるべきだった賛辞を世間から惜しみなく送られた。
エド・クレバンは、BMIミュージカル・シアター・ワークショップでソングライターとしてのキャリアのスタートさせた。そこで書き溜めたカリスマ性のある力強い楽曲の数々は、本作『クラス・アクト』の中で時には陽気に、そして最後には悲しい運命をたどる彼の人生を美しく描き出す。このミュージカルに登場する7人のアンサンブルは、エドが生前愛した友人や恋人をモデルにしたキャラクターたち、そして実在するブロードウェイのクリエイター陣──毒舌のレーマン・エンゲル(作曲家)、陽気なマーヴィン・ハムリッシュ(作曲家)、天才肌のマイケル・ベネット(振付・演出家)など、彼を取り巻いた人物を次々と演じ分ける。
本作は2000年にオフ・ブロードウェイ初演、2001年にはオン・ブロードウェイで上演され非常に高い評価を受けた。彼の死後14年を経て、ようやくエド・クレバンという逸材が正当に評価されたと言えるだろう。