ブロードウェイの伝説的プロデューサーであるサム・ハリスが手がけて初演された『フェイス・ザ・ミュージック』。1932年2月17日にニュー・アムステルダム劇場で165公演を終えた後、ツアーを行い、ブロードウェイの44丁目劇場にリターンを果たした。鋭い風刺、タイムリーかつ時代を超越したユーモアを含んだこの作品には、スタンダードになりそうな「Let’s Have Another Cup Of Coffee」「Soft Lights And Sweet Music」、革新的な「“Manhattan Madness、とびきりユニークな「I Say Its Spinach (And The Hell With It)」など、アーヴィング・バーリンの極上のスコア、力強いモス・ハートの脚本が融合している。
70年間近く眠っていたこのミュージカルを、R&H社の音楽ディレクター、ブルース・ポマハック率いる音楽チームが蘇らせたことで本作は再び脚光を浴びることになった。デヴィッド・アイヴスが脚色、ジョン・ランドーが演出、ランディ・スキナーが振付を手がけ、NYシティ・センター「Encores!」シリーズの14シーズン目に上演され、その価値を現代に改めて証明したのである。