ランディ・ニューマンの歌で綴られる現代版 “ミンストレル・ショー”。
舞台は1969年、ルイジアナの片田舎。5人がバス停で足止めを食っている。やがて雨が降り始め、彼らの仮面もはがれてゆく──駅の清掃員、愛国的なセールスマン、そのセールスマンが乗せたヒッチハイカー、ギターケースにビールを詰め込んだ白人労働者、そして黒人のベトナム帰還兵。アメリカの多元主義を皮肉な寓話に仕立て、ボードビル形式で物語は進んでいく。社会風刺に満ちた本作により、ニューマンはアメリカで最も皮肉なミュージカル作家の異名を取ることとなった。
(ミンストレル・ショー:白人が顔を黒く塗り、黒人に扮して歌や踊りを披露する大衆芸能。有色人種への差別的な意味合いが強い。アメリカで19世紀頃に流行したが、南北戦争の頃から徐々に衰退していった)