ブロードウェイ史においてその偉業が燦然と輝くアーヴィン・バーリン最後のミュージカル。アメリカ合衆国大統領、そして彼を支えるファースト・ファミリーの家族愛が描かれる。
冷戦の最中、ヘンダーソン大統領がソヴィエト訪問中止の報を受けたのはロシアに向かう途中であった。外交違反になるが、それでも彼はモスクワに着陸することを決断。ソヴィエトへの敬意をもって、和解と人間愛を訴えかけるスピーチを行う。しかしこれらの出来事がきっかけとなり党の支持率は低迷、結果として彼は大統領再選のチャンスを失うという大きな代償を払うことになる。彼が家庭に戻ることを妻や2人の子供たちは歓迎するが、ヘンダーソンはそうではない。再起を望む彼のもとに、オハイオ州で亡くなった上院議員の代わりとして政界に戻るチャンスが州知事から提案されるが、動機に疑問を感じた彼はそのオファーを断ってしまう。
しかし、やがて彼には別の新たなチャンスが訪れる。ソヴィエトでヘンダーソンが示した政治家としての能力に敬意を持つ新大統領からの要請で、米国代表としてサミットに出席することになったのだ。強い信念を貫いてきた一人の政治家──ヘンダーソンは、誇りをもって政界へと返り咲いてゆく。